ワークショップ
過去に講師を務めたワークショップのご紹介。
【ふとん祭】(2024)
〜はじまり〜
都留文科大学の北畑希実さん、さきさん、にお誘いいただき、山梨県都留市にて滞在制作と展示、ワークショップを行いました。
いただいたテーマは”アート×ふとん”。アートをもっと身近に感じて欲しいという想いと、都留市が布団の出荷量全国第3位という事をもっと知って欲しいという想いを合わせたもの。市内には布団を扱う会社がいくつもあり、今回の企画の為に素材も提供していただきました。
〜滞在制作〜
都留文科大学の学生さん達が運営する”ゲストハウスゆかり”で滞在制作をさせていただきました。
朝から晩までこの部屋で制作ができる幸せを噛みしめながら、布団の生地でできた布団の妖精を作っていました。
ゲストハウスゆかりでの大学生との交流もとても刺激的で楽しかったです。みなさんとてもアクティブに活動されていてとてもパワフル!地元に住む方々との交流は滞在制作の醍醐味。様々な価値観にふれて自分も成長します。
羽毛も沢山いただいたので作品に使用することに。布団のリサイクルをしている会社さんを訪ね、機械を使って作品に羽毛を入れる体験もさせていただきました。これがとっても楽しかった!手で入れるとちょっとした風で部屋中に飛び散ってしまうのでとても大変だったのですが、この機械だとほんの数秒で詰めることができました。
〜展示『布団がふっとびプロジェクト』〜
布団の生地と羽毛と段ボールはある。それらを使って何をどう表現するのか、自問自答を繰り返し、布団にまつわるダジャレから発想してストーリーを考えました。
「布団がふっとんで
布団の妖精に姿を変えて
都留の街に舞い降りた」
布団の生地で妖精を作り、舞い降りた先に段ボールで作った都留市が広がっています。
こちらは展示でありながら、参加者にもワークショップとして随時制作に参加していただき、最終日に向かって仕上げていく計画です。
〜ワークショップ〜
展示作品と並行してワークショップを行いました。
布団の生地を使って“布団の妖精”を作る裁縫のワークショップと、津留の街を段ボールで自由に作ってもらう工作のワークショップです。ご来場いただいた方にお好きな方をチョイスしていただき一緒に制作をしました。
妖精作りのワークショップは、普段裁縫に慣れていない方、初めて裁縫をやった方も楽しんで作られていました。布団の生地は中身の羽毛が外に出ないように特殊な加工がしてあり、針を刺すのが固くて大変です。それでも出来上がったらそんな苦労は吹っ飛びます。出来上がった妖精達は展示最終日まで展示しました。
街を作るワークショップは、大学の校舎や自分の家、都留市ゆかりのキャラクターまで登場し、街を彩りました。特に小さい子供達は夢中になって工作をしていました。物作りを通してたくさんのコミュニケーション、アイデアが生まれました。
〜コラボレーション〜
最後の2日間は、アーティストのコビトフカミさんも展示に参加されました。”布団の妖精”からインスパイアされ、妖精の住む森を参加者と一緒に布に描くワークショップをされました。
アーティスト同士のコラボレーションは初めてだったので、想像が出来なかったのですが、結果的に空間に広がりを持ち、より神秘的な作品になりました。偶然のコラボレーションでしたが大成功でした。また機会があったらご一緒したい素敵な方でした。
〜スマホ列車トーマス号〜
街の中を電車が走っています。こちらは実際に展示会場の横を走っている富士急行線の電車からヒントを得たものでです。富士急行線にはトーマスのラッピング車両があったり各駅の看板がトーマスがお出迎えしているため、トーマス車両を作り走らせました。
列車にスマホを乗せて、列車から見た風景を録画することができます。さて、自分たちの作った街、自分の作った妖精は列車からどういう風に見えるのでしょう?
こちらはデータとしておみやげに持ち帰っていただきました。
〜滞在制作を終えて〜
始まる前は「本当にできるんだろうか?」という心配もありましたが、蓋を開けてみたら沢山の方々に興味を持って見ていただき、次回やるなら手伝うと言ってくださる方もいらっしゃって、やってよかったなと思いました。自分の直感を信じてやり切ってよかったと思います。企画者の北畑さんのパワー、突破力にも驚かされ、もっと何かできるんじゃないかと次の開催も期待しています。
また機会があれば参加し、都留市を盛り上げるお手伝いができたらなと思います。
【ふれてみるツキ】(2024)
新開地アートひろば(神戸)で視覚障害の方も参加してアートを体験できるワークショップと展示などを行いました。(監修:栗栖良依)
「ふれてみるツキ」とは、誰も見たことのない月の世界を視覚に頼らずに触覚や聴覚からアート作品を作り上げようという企画。聴覚に障害がある方も参加しやすいワークショップやものづくりの方法、観賞の仕方を考えてみました。まず初めに、視覚障害の方と健常の方が一緒になって、想像上のウサギのいる月の物語を考え、セリフにまで落とし込むワークショップを行いました。
その後、音楽家の蓮沼執太さんと全盲のドラマー酒井響希さんと共に効果音制作。参加者が考えた物語に必要な音をその場で作っていきます。身近にある道具からも音を探しました。参加者の方々は皆さん積極的でとても有意義な時間になりました。セリフも自分たちで工夫をして録音し、3つの音の物語作品が完成しました。全盲の武内美津子さんにはナレーションで来ていただいたのですが、酒井さんのドラムに白杖で音を出し、それを蓮沼さんが捉えるシーンがとても印象的でした。
翌日から1週間滞在制作をし、音の作品を展示するための部屋を制作しながらワークショップを行いました。
アート作品は通常触ってはいけない物が多いですが、それだとやはり視覚障害の方はなかなか楽しんでいただけないと考え、触って楽しめるような展示の方法はないか考えました。
そこで、ウサギのテクスチャーを古着などを割いて紐上にして編んで、ウサギの部屋の表面を覆い、触って楽しめる部屋にすることにしました。編み方は腕編みという方法を採用。これだと網目が分かりやすく、手探りで編むことができます。この作業はワークショップ形式にし、ひろばに訪れる方にも参加していただきました。
ウサギの部屋を作るのと並行し、ウサギの人形作りのワークショップも開催しました。古着を使って思い思いのウサギを作っていくもの。「おしゃべりウサギ」「にんじんウサギ」など発想が豊かなウサギがたくさんできました。みなさん楽しんでくださってとても嬉しいです。様々な立場の知らない人同士が和気藹々とおしゃべりをしながら、もの作りをする楽しさも再認識しました。
みなさんが作ってくれたウサギの人形達は、ウサギの部屋に飾り、
ツキのウサギのものがたりを聴きながら、それぞれ個性的なウサギを触って楽しめる部屋となりました。
子供達も楽しんでくれてよかった!
こんなに素晴らしい機会をありがとうございました!本当に毎日楽しかったです。
最後にスタッフや参加者の方々とウサギポーズでパシャリ!
ものがたり作りと効果音作りのワークショップの様子と、完成後の様子はこちらからご覧いただけます。
【ワークショップ at キャナルフェス】(2020)
天王洲キャナルフェスでワークショップを行いました。クリスマスの時期だったので、ビニール傘をツリーに見立てて自由に絵を描いたり、いらない布などやデープを貼り付けオリジナルのツリーができました。そしてレインコートと帽子にも装飾をしスノーマンに変身し、“キャナルスローサーカス団”の一員になり、パレードをしました。
(photo:川島彩水)
【SLOW ACADEMY in TCTP】(2016)
タイのバンコクで、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアに住んでいる障害のある方々とアニメーションを作る4日間のワークショップを開催しました。アニメのテーマは4カ国に接しているメコン川に住むワニが旅をする話。参加者が自分自身と住んでいる地域の光景を絵に描き、ワニが訪れる先々に登場しました。初めてでもわかりやすくコマ撮りを制作できるよう、ホワイトボードとマグネットを使用しました。
言語も違う見知らぬ人同士でしたが、最後にはお互い助け合ったり、講師である私の手伝いまでしてくれたのがとても印象的でした。手作りで楽器を作り効果音にしたり、セリフまで録音するという贅沢な内容になりました。タイトルのPOVOも参加者からの提案です。
【SLOW FACTORY in 道後】(2013)
道後オンセナート2014で道後商店街の方々とアニメーションを作るワークショップを行いました。普段アニメーション制作に接する機会のない皆さんに興味を持ってもらえるように、温泉に湧き出る「湯玉」をキャラ化し「ゆだまん」と名付け、自身の顔と姿をゆだまんに投影してもらいました。紙粘土でアニメの動きを数パターン作成しアニメにし、撮影後はご自身の店舗のディスプレイに置いていただきました。さらにゆだまん総選挙を開催し、投票で一位になったゆだまんは着ぐるみになり、お祭りやパレードに登場しました。